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知的障がい者と地域づくり
私は大学時代の恩師の縁で、
福岡県八女市の社会福祉法人上横山保育会の評議委員をしています。
保育園の西光園と知的障がい者200名の蓮の実園、蓮の実団地と、
かなり大きな施設であります。
上田正勝理事長はスケールのでかい人で
知、体 共に桁外れの人物で全国の副会長もしています。
この理事長と私心なき職員の方々の頑張りようは見事であります。
今この園で、建物の老朽化と耐震問題をきっかけに移転の話がでている。
移転の最大の問題は知的障がい者に対する偏見による、
予定地の地域住民と隣接地主の反対である。
利用者(障がい者)は様々な個性(特徴)を持っている。
昨日の事であるが、私が施設の玄関に向かって歩いて行くと、
いきなり若い利用者が走り寄ってきて、いきなり私のスーツのボタンをかけようとする。
数年出入りしている私でさえも、一瞬ぎくっとした。
でも「はい、ありがとう」と言うと嬉しそうな表情をしていた。
この利用者はひたすらボタンをかける事が好きなのである。
この行為を、突然知らない女性にした場合には、
「痴漢」と大騒ぎになり事件になってしまうのであろう。
人は異質な事を理解する事は難しいと思うけれど、
日常の人間関係においても同じではないだろうか。
誰もが老いて心身に障がいを持つ事になる可能性がある事を思えば、
障がいを持った人と同じ地域で暮らす事は、自然な事だと考えます。
この人達の暮らしの場が、人里離れた場でなく、地域の人たちの身近な場所に、
憩いの場となるような施設を造れると、まちづくりも、社会の価値観やありようも
もっと謙虚で優しくなれそうな気がします。
理事会の中で土地の価値観を話したけれど、山の上だから土地の価値がないと言う事でなく、
蓮の実園の知的障がい者の自立という目的をより活かす場所(環境)を選択して欲しいと願っての事であった。