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雑木林と8つの家の基本的な考え方
「ヒトはなぜ緑の自然を求めるのか」という 問いに、品田穣の著書「ヒトと緑の空間」で、
ヒトと自然環境は視覚や聴覚、味覚、臭覚も進化の過程で、生きることを通じて一体化していると、
さまざまな事例や考証を経て結論づけている。
さらに、人が自然を求める行動は、緑の自然、とりわけ見通しのよい草原・疎開林型の空間が
なくなると、やすらぎが失われ、失われたやすらぎを自然にもとめて行動するという。
人と自然(緑)が一体化した空間を生態的空間という。
昭和20年代~30年代に暮らしの近くにあった生態的空間、原っぱや雑木林は
総合性が保たれ、様々な用途に利用された。
例えば、人々が散歩をしたり、子供が遊び、大人がベンチで本を読んだり、
木陰で絵を描く人がいたり、・・・・・・。
この場合、利用する人ごとに別々に空間が利用されて独自の機能的空間として生かされていた。
しかし、高度経済成長と共に地域から失われた緑の空間。
こうなった原因のひとつは、都市の空間を効率的に使うために、土地利用の目的を単純化したことである。
都市計画で分かるように、用度地域を決め用途別に分け効率的に、単純化したためである。
人工物の固まりと化した大都市ほど、自然を求めて、多くの人々が都市からの脱出をはかり、
連休になると数十キロに及ぶ車の渋滞は、その思いの強さを物語る。
暮らしに自然を持ち込むことを「住環境の野生化」という。住環境の野生化とは、ひからびた空間に
自然が回復すると住空間が豊穣になり、自分のためと同時に他の人々と<共に>考えられること、
お互いに生きることに夢中になり、それぞれの能力が開花していくこと・・・・・・にあるのではないかと思う。
と まちづくり読本のなかで延藤安弘は言う。
暮らしに自然(緑の空間)があることの大切さ、自然と人の関わりの本質を伝えていると思う。
また、自然と接する暮らしは、人々にやすらぎと「生の野生化」つまり人々に五感の働きを蘇らせる。
豊富な人工物だけに囲まれた暮らしと、自然につつまれた感性豊かな日々と、
幸せと思えるのはどちらか、考えて欲しい。
花を見て美しいと感じるのは、その人の心が美しいからだと言う。
幸せとは、幸せと思う その人の感性だとも思う。
老子が言う、足を知るものは富むと。いや 誰もが知る日本人にいる、西行法師・吉田兼好
本阿弥光悦・松尾芭蕉・千利休・良寛さん・・・・・清貧の思想は日本人のバックボーンです。
今、土地を買い家を建てようとしている人たちに考えて欲しい。
無理な借り入れをしてまで、家を建てることが本当に家族の幸せとなるのか、まず考えるべきだと思います。
もし建てるとすると、これからのライフスタイル、子育て、老後のこと等々・・・・・・・。に加えて
自然(緑の空間)に対する考え方は大切にして欲しい。
私も学び始めたばかりですが、経済や政治、人間学・・・・・よりも自然に関する知識は
真実に近づく感じがします。
心豊かになれると言うことでしょうか。
物の豊かさに満足できないことが、物の豊かな社会の特徴である。
多くの人がこの事に気づいていて、田舎暮らしや里山がブームになって久しい。
この気付いている人たちに自然(緑の空間)につつまれて暮らして欲しいと願い
雑木林につつまれた住環境を計画してみました。
緑の空間を大切な家族のために普通の予算で、今までにない住環境を創り提案したい。
造園家と5人の建築家とのコラボレーションで実現します。