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雑木林4年目の秋
雑木林と8つの家は5年目の冬を迎えようとしています。
「みんなで剪定」は、庭も人もハレの日。
まちはひらかれ、
たのしいこと
うれしいこと
おもしろいこと
りぼんのように結ばれ、
上昇する風にのって紙ひこうきを飛ばしているような、
そんな雰囲気です。
朝から始まり、すぐにお昼時間がきてしまって、あわてて家にもどる。
そしたらね、
「なんか、見たこと無いようなパンをみんなで食べてるよっ」
え?見たこと無い、パン?
いつのまにか、道広場にブルーシートがひかれ、テーブルが並び
子ども達はすでに手が出ていた(!ちょ、ちょ、ちょっとまったぁぁッ)
わぁぁっすごいぉぉぉい!誰が焼いたの??
「テリヤキチキンも手作りだって」
フルに働いて、フルに家事をし、子どもの相手もフルに。
このマダムにもoffはない。
名づけて『空とぶサンドイッチ』
「そらくんちのお母さんは天才だよね」
そう、そういう味が私もしました。
子ども達はもう、何度か食べさせてもらっていて、
再度、感心しながら食べている。
「はいはい、わたしは天才母でなくて、スミマセンねぇ」
子どもも、大人も、生き方、考え方はそれぞれ。
できる事、できない事、家々ごとにそれぞれ。
自分とは違う、その現れを愉快にたのしもうって言って下さる人がいる。
ここに集まっている人の和に、剪定作業をした人はあまり居ません(笑)
環境を与える人は、たいてい、おもてにいません。
モグラさんだって、アリさんだって、名も知らない鳥さんだって
せっせと生きてて忙しいのよ。それが当たり前。
と、そこへ
「焼けたよぉ~~~」12歳のむすめがひょろひょろと家の台所から
あっつあっつのアップルパイを持って来てくれました。
再び歓声。
自分が12歳のころは、こんなこと出来ませんでした。
本に出てきた“アップルパイ”とやらをイメージしてして絵に描いたのが
当時の時代や環境による、精一杯。
娘に台所をあけてくれた母親に感心します。
名づけて『むすめのりんごパイ』
そういえば、このパイの形は…
当時イメージして描いたアップルパイと同じだな。
剪定した樹木の間からは昼下がりの西日があたり、黄金に輝いていた。
こどもは30秒後に成長しようとする能力がある。
おとなだって仕舞いこんでしまった能力がある。
その潜在的な可能性を解き放ち、伸ばす、デベロッパーの仕事は
売り渡した後も続いている。